ニューヨークにミートアップの季節が帰ってきました(前編)

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米国では7月〜8月は夏休みのシーズンということで、月例のビジネス系ミートアップ(たいてい平日の18時〜21時)はお休みにしてしまうところが少なくありません。集客が大変なのと、スピーカー候補や主催者が夏休みを取りたいということだったりします。かくいう私も7月後半から8月前半まで、第1回Monozukuri Bootcampのキックオフもあって日本に出張しており、ニューヨークにはいませんでした。

9月は新学期が始まる時期でもあり、8月末から9月頭のLabor Dayの3連休明けあたりまでには、街には人があふれるようになります(日本でいう4月の新学期シーズンと酷似しています)。

ということで、この3週間に私が参加したビジネス系ミートアップのうち、9月前半に開催されたものをご紹介します。多くの定例ミートアップは講演内容を録画し、後から見られるようになっています。ビデオがあるものはリンクをはっておきます。

TRIBECAエリアであったカンファレンス後のルーフトップパーティ
TRIBECAエリアであったカンファレンス後のルーフトップパーティ。この後、人が押し寄せて日没までネットワーキングが続きました

コロンビア大学IoTプログラム

IoT Central NYC」のミートアップ(ミートアップの詳細)の中で、コロンビア大学IoTプログラムのプレゼン(デモデー)が開催されました(講演内容のYouTubeビデオ)。

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コロンビア大学IoTプログラムを担当するZoran Kostic教授
Empower Pump. Smart Pumping. Happy Mommy.
母乳の出が悪くなることを検知・予想するために、搾乳ボトルに計測センサーをつける。特に未熟児の成長などに母乳は重要だが、母乳は早期に出なくなる人がいる。目に見えて減った後には対応ができない。母乳の量が減るなど兆候はあるが、現代の忙しい母親にとって、毎回の量を記録するのはムリ。なのでセンサーで傾向をいち早く掴んで、早期の対応を促すのが狙い。IMG_6828.jpg
Beacon on Board: A smart device designed to prevent hot car tragedies
幼児向けカーシートの温度センサー・ソリューション。夏場などは短時間で車内の温度が急上昇するが、既存の検知システムは高価。後付けできる安価なソリューションを開発。IMG_6835.jpg
Embrace: smart post-injury recovery knee brace
リハビリ用のトラッキング・ソリューション。傷の回復状況に応じた適切なリハビリが予後の改善には不可欠。安いセンサー部品を使い、足りない部分をAIで補うことで、ソリューション全体のコストを低減する。IMG_6839.jpg

東欧出身スタートアップのピッチコンテスト

東欧出身のスタートアップを集めたアクセラレーターStarta Acceleratorが開いた「International Founders Night. VC Panel & Pitch Contest.」の前半が投資家によるパネル・ディスカッション、後半が、Starta Acceleratorの第2期生によるデモデーでした。

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東欧出身の投資家やエンジェルによるパネル・ディスカッション。司会はStarta Acceleratorのマネージング・パートナーを務めるKatya Dorozhkina

東欧ということでしたが、参加スタートアップはロシア、ウクライナ、ベラルーシの旧ソ連からだけでした。いわゆる「東欧」はEU/NATOに近くなり、モスクワに本拠があるStartaとは少し距離があるのかもしれませんね。一部のバイリンガルのスピーカーを除いて、みなさんロシア語特有の強いアクセントでしたが、気後れせずにプレゼンをしています。Startaに限らず、出身国を絞ったアクセラレーターはイスラエルをはじめ、ヨーロッパやアジアの国がバックアップしたものがニューヨークにはとても多いです。

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デモデーでプレゼンした10社

デモデーでは全部で10社がプレゼンをしました。私がハードウェア中心に見ているせいもありますが、Cardiomoが印象に残りました。家族や親類のバイタルサインをモニターし、危険な兆候があった場合に通知してくれるサービスです。

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CardiomoのCMOを務めるOksana Bespalova

ニューヨーク最大のハードウェア・ミートアップHardwired NYC

ニューヨークにはハードウェアやIoT系のミートアップはいくつもありますが、登録者数が最も多いのはHardwired NYCでしょう(今日時点で4800人強)。ニューヨークにはほかにも、登録者数が4000人前後のハードウェア系やIoT系ミートアップはいくつかありますが、参加者の顔ぶれはそこそこ異なっています(1回のミートアップのサイズは50人〜150人ぐらいが一般的なので、登録者そのものの重複は多いかもしれません)。

Hardwired NYCは地元VCのFirstMark Capitalのパートナー、Matt Turck氏がオーガナイザーのミートアップで、毎回Turck氏が司会やモデレーターとして取り仕切っています。彼はほかにも、ビッグデータ系ミートアップのData Driven NYCのオーガナイザーを務めています。FirstMarkはミートアップの開催に熱心で、ほかにもCode Driven NYCDesign Driven NYCを主催しています。

ニューヨークのミートアップでは、西海岸スタートアップからのゲストが出ることも少なくなく、今回もハードウェアの小売店をシリコンバレー(パロアルト)に開店して2年になるb8ta(「ベータ」と読みます)のCEO、Vibhu Norby氏が登壇しました。

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Hardwired NYC、9月のミートアップの講演者たち
Vibhu Norby, CEO of b8ta (retail store designed for trying and buying new connected devices)
b8taは小売りの現場に、オンライン広告の手法を導入する「ハードウェア・スタートアップのための小売店」を標榜しています。今回のプレゼンではオンライン広告による獲得コストと、小売店に支払うマージンの比較や、小売店に陳列することによる消費者への認知などについて、数字を使って説明しています(講演内容のYouTubeビデオIMG_6937.jpg
Ben Einstein, General Partner of Bolt (early-stage vc firm focused on hardware and IoT)
Boltはボストンを拠点とするハードウェア専業VCです。Benは自社のブログでよく記事を書いていますが、今回は日本でも3年ほど前に話題になったCoinの失敗についての記事(The Failure of Coin)の内容を話していました(講演内容のYouTubeビデオ)。昨日の「米国でハードウェア・スタートアップへの投資が倍増」もBoltのChrisが書いた記事を元にしています。Bolt Blogは読み応えのある記事が多いのでオススメです。IMG_6963.jpg
Alban Denoyel, CEO of Sketchfab (leading platform for publishing and sharing 3D and VR content)
Sketchfabは3DやVRのデータをシェアするためのプラットフォームです。本社はニューヨークですが、CEOのAlbanがフランス出身で、パリにも拠点があります(講演内容のYouTubeビデオ)。IMG_6965.jpg
Anthony Batt, Founder & Executive Vice President of WEVR (VR content production and network)
WEVRはVR系のコンテンツを作るスタジオで、本社はロスアンゼルスにあるそうです(講演内容のYouTubeビデオ)。IMG_6968.jpg

このミートアップが終わった翌朝、カナダ総領事館の主催で、Canadian Technology Acceleratorのデモデーが開催されました。詳しくは「後編」に続きます。


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