Google Home正式発表、スマートホーム/IoTの今後を占う

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先日のGoogle I/Oでは、本当に数多くの発表がありました。中でもスマートホーム用音声認識デバイス「Google Home」は、単に新しい家庭用製品のトレンドにとどまらず、少なくても、次の3つのIoT分野における今後を占う試金石になりそうです。

1. クラウドベースのデジタル・アシスタント機能の製品トレンド
メッセージング」「ボット」「AI」などがキーワードになっている、クラウドベースのデジタル・アシスタント機能のユーザー・インタフェースとして、音声インタフェースが主流に躍り出た
2. スマートホーム家電やIoT製品を制御する共通API
「ランプを点灯する」などの制御を、ベンダーに左右されない共通APIで実行できるプラットフォームの勢力争い。対応するサードパーティ製品の数などで、ある程度、優劣がついてきそうである
3. 異なるデバイスやサービスを取り扱えるアプリケーション・フレームワーク
音声やアプリからの指示で、さまざまなデバイスやサービスをまたがった処理を簡単に記述できるアプリケーションのフレームワーク。単なる「リモコン(=自動化)」を超えた、全く新しいユーザー・エクスペリエンスが提案・提供されてきそうである(例えば、室内サーモスタットがペットの活動量を測定し、その値に応じて自動えさやり器がエサの量を調整したり、エサの自動発注タイミングを制御する)

今回は1番目の視点から、スマートホームの分野では後発製品にあたる「Google Home」と、先行するAmazon Echoを中心にトレンドを追ってみたいと思います(実態は、Google I/Oでの発表から5日間が経過し、記事が長くなり過ぎたために、上記の3つの視点で分解し、まず1番目のトレンドを公開することにしました)。

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先行する「Amazon Echo」を追撃できるか

Google Homeは米国では今年後半(おそらくクリスマス商戦まで)に発売予定と見られており、市場で先行するAmazon Echoの競合製品です。Google HomeはAmazon Echoと似たような円筒形の形状をしており、人間がデバイスに話しかけて指示を出すスタイルです(音声による指示インタフェースは、Appleの「Siri」と似たイメージですが、ディスプレイがないため、結果は音声でのみ伝えられます)。

Amazon Echoをはじめとする「Amazon Alexaシリーズ」は日本で発売されておらず、日本ではほとんど話題になっていないようです。しかし米国では、最も高価なテレビCM枠として有名なスーパーボウルでAmazonが流したテレビCMが「Amazon Echo」だったことを見ても、Amazonにとっても期待の製品だと分かります。

Amazon Echoは2014年の販売開始から1年半で300万台以上を販売しているとの調査会社による推計もあります(Amazon Echo sales reach 3M units as consumer awareness grows, research firm says)。さらに今春には、AmazonはAlexaシリーズに2つの製品ラインナップ(「Echo Dot」と「Amazon Tap」)を追加しています。

キビキビした動作が魅力のAmazon Echo、背景にBezos氏のこだわり

Amazon Echo最大の魅力は、製品そのものの出来の良さです。具体的には、音声で指示を与える際の応答時間の短さです。Amazonによると、当時の音声に対する標準的な応答時間は2.5秒であったにもかかわらず「(CEOの)Jeff Bezos氏が指示した製品リリースに必要な応答時間は『1秒』だった」(The inside story of how Amazon created Echo, the next billion-dollar business no one saw coming)ということで、開発は困難を極めたそうです。しかし苦心の甲斐あってリリースしたAmazon Echoは大ヒットになったというわけです。

こうした「勢いの差」は米国内でのマインドシェアでも見て取れます。Googleのグループ企業であるNestのシェアが、AmazonやAppleに大きく水を開けられているという調査結果が、2016年初頭にArgus Insights社から出ています(Amazon Echo, Apple HomeKit Tops In Smart-Home Buzz)。 ArgusHomeAuto16.png

米国では、Amazon EchoやGoogle Homeのような音声認識デバイスが、パソコンやスマホ・アプリを押しのけ、スマートホーム時代の操作インタフェースの中核ポジションの一翼を担っていきそうです。

スマートホーム/IoT時代のプラットフォームやフレームワークの覇権争いについては、追って考察をまとめたいと思いますので、もう少しお待ち下さい。


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