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宮城谷氏の作品

楽毅先日のローマ人の物語のエントリーで、宮城谷昌光氏の歴史小説に触れたところ、思いがけず反応があったので、気をよくして新年らしく取り上げてみる。

宮城谷作品を初めて読んだのは、「晏子」を読んだのが初めだった。

それまでは主に、陳舜臣の中国歴史本を読んでいた。一度、、「長耳」の単行本を手に取ったことがあったが、宮城谷氏独特の語り口調に、ちょっと違和感をおぼえて、買って読むまでには至らなかった(陳氏のはストレートで明快な表現がすがすがしいのに対し、当時の宮城谷氏の小説は否定表現が多いなどのクセがあり、とっつきにくかった)。

確か晏子を読むことになったのは、出張か何かで、全巻そろえて移動中に読み始めたのが最初だったと思う。

最初は違和感があったものの、読み始めると妙にクセになる内容。そして、今まで深くは語られていない春秋戦国時代とそれ以前(夏・殷・周)の君主・英雄を取り上げた小説が多かったのも、クセになった原因の一つだろう。

宮城谷氏の小説は、主に読後感から大きく分けて二つの作品パターンがあると思う。

一つ目は戦国時代、斉の宰相の生き様を描いた「孟嘗君」に代表される、遊び心がある作品。宮城谷氏の作品に多い、「男の深い生き様」という重いトーンに彩を添えてくれるパターン。ほかに秦の始皇帝の実の父といわれる大商人・呂不韋の一生を描いた「奇貨居くべし」がこのパターンにあたるように思う。

もう一つは、ひたすら男の生き様を描くパターン。むしろこちらが宮城谷氏の本流だろう。中でも冒頭に取り上げた「楽毅」は、潔い生き様を描いた作品として心に残る。

どちらにしてもAmazonで宮城谷昌光でひくと、たくさんの良書が出てくる。

書評をしていたら、また読みたくなってきてしまった。最新刊「管仲」を初夢代わりに、再び読み直してみようと思う。

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コメント (4)

FPNというサイトを運営しているsugimotoと申します。私も大の宮城谷ファンなので、思わず嬉しくなって投稿してしまいました。この5年くらい、定期的に読みながらだいたいの作品は読みました。やはり『楽毅』が傑出しているように思います。

「男の生き様」だけでいえば、元祖は司馬遼太郎だと思うのですが、宮城谷作品はその底流に、国家間の競争や実際に戦闘など、「戦略」的視点が流れているところが面白さに拍車をかけているんだと思ってます。人間の見方も、ヒロイズムには走らず、脇役や黒子をきちんと描き出していますよね。

松村さんの『戦術と指揮』も面白かったですが、なんだか机上のシミュレーションのようでリアルさを感じませんでした。宮城谷作品を読むと、自然と「戦略観」が身についていくような気さえします。

実は数年前、親会社2社から顧客を奪われて困っているある小さな企業のコンサルティングをやったのですが、ビジネス系の戦略本よりも、『楽毅』が一番アイデア出しに役立ったのでした(笑)


宮城谷氏の作品は、なんといっても壮大な人生について(死んだ後のことも含めて)語っているので、「戦略観」につながってくるんだと思います。

これに対して松村さんの作品は「戦術」と「指揮」ですから、おのずと観点が違っていると思います。

私自身は「戦略」というのは本当に大事で、見失っていたら大変なことになる、と思っています。しかし同時に実行(execution, implementation, operation)がなければ、戦略は実を結ばないので、その意味で「戦術」と「指揮」は、現場を任される人間には、やはり必要不可欠なことではないかな、と思います。


まあ小説を読んで戦略観を磨き、現実世界の日々の業務(オペレーション)の要諦を、軍事の本から吸い取る、というのは、昔の中国の読み書きの基礎だったのでしょうから、これはこれでいいのかな、とも思っています(孫子・呉子も戦略だけでなく戦術や指揮についても章を割いていますし)。

おっしゃるとおりと思います。戦略・戦術・戦闘いずれも同様に大事なことですよね。

ま、単に宮城谷作品が紹介されているのを見て嬉しくなってコメントしてしまった次第ですので、お手柔らかにお願いします。大変失礼しました。

#「管仲」も実に面白かったですよ。


私も好きな宮城谷作品についての感想がついていたので、嬉しくてコメントしたので、お気遣いなく。

管仲もよかったですね。最近の作品は、より深みが増してきている気がしますね。

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January 2, 2004 2:04 AMに投稿されたエントリのページです。

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