Techstars IoTのデモデーに参加、ソリューション指向のビジネスが増えた印象

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1月12日に、世界に26か所(2017年1月現在)のアクセラレーターを持つTechstarsがニューヨークで始めた「Techstars IoT」のデモデーに参加しました。Techstarsはデジタル広告代理店のR/GAと組んでニューヨークでコンシューマーIoT向けアクセラレーター・プログラム(Connected Devices)を2014年〜2015年にかけて実施していましたが、その後は開催されていません。今回、Techstarsが単体で実施する「Techstars IoT」は、主にB2B(企業間)向けのIoT製品・サービスを対象にしています。

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Techstarsが開催した「Internet Of Things Day」

この日は「Techstars Internet of Things Day」と銘打って、投資家へのプレゼンテーションだけでなく、IoT関連のパネルディスカッションや、ブースでの参加スタートアップのデモなど、まる1日使った大きなイベントでした。

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Techstarsの創業者 兼 共同CEOのDavid Cohen氏。「いつものTechstarsのDemo Dayに慣れている人にとっては、このフォーマットは斬新だと思う」
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1日中、ひっきりなしに人の出入りがありました

Betaworksが音声認識アプリやアシスタント製品向けアクセラレーターを開始へ

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ニューヨークのインキュベーターであるBetaworksは4月からアクセラレーター・プログラム「Voicecamp」を開始すると発表しました。VoicecampはAmazon Alexa(製品名Echo)やGoogle Assistantと連携するサービスや、音声認識の製品やサービスを開発するスタートアップ向けの7週間のプログラム。現在、参加希望企業の応募を受け付けています。

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日本国内では、Amazon EchoやGoogle Homeなどが登場していないこともあり、まだあまり盛り上がっていない音声認識系のアプリや製品ですが、いずれ操作系インタフェースの主流になりそうな分野です。もし意欲があれば、今のうちに米国で取り組んでみるのもいいかもしれませんね。

Amazon.comがプライム会員向けに還元率5%のクレジットカードを発行、でも新規性はあまりないかも...

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昨日Amazon.comが発表した「Amazon Prime Rewards Visa Signature Card」が、日本で話題になっているようです。

還元率5%のクレジットカード「Amazon Prime Rewards Visa Signature Card」をAmazonがプライム会員向けにリリース 00.jpg

魅力的なサービスを次々と追加することで有料メンバーのPrime会員を増やし続けるAmazonが、なんとAmazonサイト内で使った金額の5%が還元されるクレジットカード「Amazon Prime Rewards Visa Signature Card」を発表しました。

でも、これって米国のクレジットカードのさまざまな特典を使っている人からすると、それほど衝撃的なニュースではないかもしれません。確かに米国基準で考えても「5%還元」は大きいですが、実はAmazonは物理的なカードを発行しない「Amazon Store Card」(発行: Synchrony Bank)で、プライム会員向けの5%キャッシュバックを実施していたからです。

さらにAmazonでの買い物以外の特典である「2%還元(レストラン、ガソリンスタンド、ドラッグストア)」と「1%還元(その他の利用)」については、特典付きクレジットカード業界ではごく普通の還元率です。

例えば今回デビューした「Amazon Prime Rewards Visa Signature Card」の発行元であるJPモルガン・チェースは、自社ブランドでクレジットカード「Freedom Unlimited」と「Freedom」を発行していますが、「Freedom」では、四半期ごとに決まるカテゴリ(例えば2017年第1四半期は「ガソリンスタンドと公共交通機関」)での買い物は5%還元(1500ドルまで)、それ以外の買い物は1%還元。「Freedom Unlimited」ではすべての買い物について一律で1.5%還元です。

最近、私が目にした最大の還元率のクレジットカードは、Discoverが発行する「Discover it」で、四半期ごとに決まるカテゴリ(例えば2017年第1四半期は「ガソリンスタンドと公共交通機関」)での買い物は5%還元(1500ドルまで)というのはFreedomと同じですが、さらに「マッチ」という仕組みがあり、初年度に限り、初年度に得たキャッシュバックと同額を年度末にさらにキャッシュバックするというものです(例えば、2017年に500ドルのキャッシュバックがあれば、年始にさらに500ドルがキャッシュバックされる、という仕組みです)。

ちなみに今まで挙げたすべての特典付きクレジットカードは、年会費が無料です。Amazon.comはプライム会員に限定していますから、厳密には無料カードとは言えません(年会費が99ドルかかります)。なので、このAmazon Prime Rewards Visa Signature Card」がいわゆる「最強のクレジットカード」とは言えないと思います(もちろん、プライム会員の会員ベースを考えると、追加コストなしですが)。

米国ではクレジットに関する与信の仕組みや、クレジットカード会社のビジネスモデルが違うので、同じような形で日本に入ってくることはないのかな?と思います。

PS
こちら米国ではオンラインですぐにクレジットカードの審査ができ、すぐに番号などもアサインされる仕組みがあるので、私も早速、Amazon Prime Rewards Visa Signature Cardの発行を受け、Amazon.comのデフォルトの支払いオプションに設定しました。Prime Nowのシステムは特殊だったのか既存のStore CardがAmazon.comに依存したカードだったのか分かりませんが、Prime Nowの決済手段としてStore Cardが登録できない、という制限があったのですが、Amazon Prime Rewardsは問題なく登録できましたので、これからはPrime Nowの買い物でもキャッシュバックが貯まることになりました(今まではFreedomを登録していたので1%でした 笑)。

ニューヨークはハードウェアスタートアップに向いた街。ここでエコシステムの整備に貢献していきたい(FabFoundryって何?パート3)

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ここまでシックス・アパート出身の関が、なぜ米国でハードウェアスタートアップを支援するビジネスを立ち上げたのか説明してきました。(FabFoundryって何?パート1)(FabFoundryって何?パート2

今回は、なぜシリコンバレーではなくニューヨークなのか、また具体的にどういう事業を展開しているのかお話していきます。

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2014年男子テニス全米オープン決勝。日本人がニューヨークを舞台に世界一の座をかけて戦った

エコシステムが未整備なニューヨーク

ハードウェアスタートアップを支援するビジネス、というと「なぜシリコンバレーじゃなくてニューヨークなのですか?」と聞かれることがあります。確かにスタートアップといえばシリコンバレー。それは多くの方が抱いている印象でしょう。

私がニューヨークをFabFoundry起業の地としたのは、次の理由からです。

1: アメリカ第1の都市で、クリエイターが多い

スタートアップを支援するには、当然スタートアップが多くいる場所でなくてはいけません。どこにいけばスタートアップと出会えるのか。スタートアップは誰がやっているのか。そうやって考えていくと、スタートアップを始めやすい若者が多い街、ニューヨークに自然に行き着きます。

ニューヨークは米国で一番大きな都市圏(人口2,000万人ほど)で、市内には100以上の大学があって、有名なデザインスクールもたくさんあります。「デザイン」と聞くと「2次元のグラフィックス」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ハードウェア製品の設計や試作に、3次元(3D)デザインの知識は不可欠です。毎年、4万人近いデザイン系や工学系の大学生が卒業するニューヨークは、ハードウェアスタートアップにとって「喉から手が出るほど」欲しい人材の宝庫と言えます。

しかし彼らの大部分は大学を卒業すると、大企業のクリエイティブ部門や広告代理店、ファッション業界などに就職します。多くの若者は「本当はスタートアップに入りたいのだが、なかなかチャンスがないので、仕方がなく大企業に入った」と口を揃えます。もっとスタートアップを始めやすいエコシステムができれば、クリエイターが多く集まるニューヨークという場所は、魅力的なハードウェアスタートアップを数多く生みだすことでしょう。

2: エコシステムがシリコンバレーほど完成していない

ニューヨークはスタートアップが生まれやすい環境でありながらも、まだシリコンバレーほどスタートアップのエコシステムが整備されていません。エコシステムの話については、前回の記事も合わせてご参照ください(2回目リンク)。エコシステムの一部を担うプラットフォームを作っていく私からすると、すでに完成度が高いシリコンバレーに入り込むのは大変ですが、エコシステム拡大の伸びしろのあるニューヨークであれば、創意工夫で入っていける可能性はまだ十分あると考えています。

3: 実は全米で2番目に大きなスタートアップの街

あまり知られていませんが、実は、ニューヨークは米国で2番目に大きなスタートアップの街です。全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)の最新の調査によると、2015年のスタートアップへのVC投資金額ベースでシリコンバレーが272億ドルで1位、ニューヨークが70億ドルで2位、ボストンが56億ドルで3位となっています。ニューヨークとボストンは2位争いをしていましたが、少しずつ差が開いてきています。

ニューヨークのスタートアップといえば、メディア/広告や、最近は金融技術=フィンテックという印象をお持ちの方が多いと思います。しかし、ハードウェア専門のベンチャーキャピタル(VC)であるボストン拠点のBoltによると、2015年のハードウェアスタートアップへの投資額は、ニューヨークが4億ドル強であるのに対してボストンは2億ドル強と、約2倍の開きがあります(関連記事: 米国でハードウェア・スタートアップへの投資が倍増)。

ハードウェアスタートアップへの投資額1位のシリコンバレーは12億ドルと、ニューヨークの3倍の規模がありますが、全分野でのVC投資額を比較すると、2つの地域の差は4倍近いので、ハードウェアスタートアップの分野ではニューヨークが健闘しているのが分かります。

ハードウェアのための製造コンサルティングサービス

FabFoundryは自らがハードウェアスタートアップと日本の製造業をつなぐプラットフォームになり、パートナー企業と一緒にスタートアップにとって不可欠なサービスを提供します。製造コンサルティングサービスもその一つです。現在は電話やテレビ会議、対面での打ち合わせなどオフラインでスタートアップを支援するのみですが、近いうちにオンライン型プラットフォームを構築し、より利便性の高いオンラインコンサルティングを開始予定です。

スタートアップは、日々の業務で発生する数々の問題と向き合いながらビジネスを大きくしていくものです。こうした問題の中には自分たちで解決できるものもあれば、経験者ではないと解決できない厄介なものもあります。問題を解決に導けるようにパートナーと共同で立ち上げるさまざまなサービスを通じてハードウェアスタートアップをサポートするのが、当社のプラットフォームの役割です。

特にオンラインプラットフォームは、立ち上げ間もないスタートアップでも使いやすいように、利用料を低め(予価99ドル/月)に設定します。この利用料には、「塗料に関して質問がある」など、日常的な質問を、気軽に当社の製造コンサルタントに問い合わせできるサービスや、部品のサービス取り寄せサービスなどが含まれる予定です。また、量産体制を整えるために工場を探してほしい、プロジェクト管理をお願いしたいといった具体的な相談も、プロジェクト単位で見積もり、個別のサービスとして対応していく計画です。

ウェブ上には、さまざまなQ&Aサービスがあり、検索エンジンを使えば無料で問題解決することも可能です。しかし、実際にNYDesignsで実施した、ハードウェアスタートアップへの個別インタビューでは、ウェブの検索で回答を見つけるために労力を使うのではなく、ウェブで専門家を見つけてメールや電話をして、有償でサービスを受けようとする人が多いという結果が多数見られました。さらに、有償でサービスを受けようと思っても、メールや電話の返事がなくて、結局あきらめることが多く、そのことが大きなフラストレーションになっていることも分かっています。

製造コンサルティングサービスの使いみちは色々ありますが、基本的には米国のハードウェアスタートアップが製造・量産をする上でぶつかる数々の問題や相談事に、日本の製造業者が答えていくものです。当社は、質問者と回答者のマッチングをはじめ、コンサルティングがスムーズに行くような仕組みを提供します。

5〜6社のハードウェアスタートアップを年2回、日本に送り込む

当社がオフライン・プラットフォームを通じて提供するものとしては、2015年夏から始めたハードウェアスタートアップ向けのアクセラレータプログラム「Monozukuri Bootcamp」があります。これは、京都を拠点にするMakers Boot Camp(量産のノウハウと製造パートナー企業の紹介に特化したアクセラレータプログラムを運営)と共同で行っているもので、ニューヨークで活動するハードウェアスタートアップを毎回5〜6社を年に2回、Makers Boot Campがある京都に約2か月、送り込むというプログラムです。Monozukuri Bootcampに参加するスタートアップは、Makers Boot Campが運営するハードウェアスタートアップ向けファンドから、1社あたり10万ドルほどを出資する計画です。

ただアクセラレータへ参加を希望するスタートアップの中には、日本に2か月も滞在すると米国での既存業務に支障をきたすなどの理由で参加を見送るケースがあります(2016年夏のときにも、多くのスタートアップがこの理由で参加を断念しました)。今後こうしたケースは、ファンドから出資しつつ、FabFoundryのオンラインプラットフォームを使って、製造コンサルティングサービスの一部として、Makers Boot Campの量産のノウハウや製造パートナー企業の紹介を受けるサービスを提供していく考えです。

Makers Boot Campは、京都にある 「京都試作ネット」を通じて、機械・金属・樹脂・ゴム・システム・基板などの試作加工に特化したソリューションを提供する100以上の企業と連携しています。当社のプラットフォームでも、京都試作ネットがネットワークしている企業に、試作や量産の管理を依頼できるようにするため、協力関係を深めているところです。

京都⇔ニューヨーク間でモノづくりのオフラインパートナーシップ

オフラインのプラットフォーム強化も計画しています。モノづくりの現場では、ネットを介したやり取りだけではスムーズに意思疎通が図れないことが多々あります。対面で会うことによって、新しいアイディアやイノベーションが生まれる「オープンイノベーション」のための土壌になることも期待できるからです。

現在、Makers Boot Campが京都市、FabFoundryがニューヨーク市にあるので、この2都市間でモノづくりのパートナーシップを結ぶための交渉を始めています。都市間パートナーシップで実現したいことはいくつもありますが、一番進めたいのは目的を持った人材交流の活性化です。

すでに物理的な拠点としては、ニューヨーク側はハードウェアインキュベーター施設であるNYDesignsと提携しており、京都側もMakers Boot Campがいくつかの施設と連携して、ミートアップをすべて英語で実施するなど、オフラインプラットフォームとして機能し始めています。2都市が正式なパートナーシップを結ぶことで、「日本のモノづくりを学ぶために京都に行く」「日本のモノづくりの技術を生かして、ニューヨークのスタートアップで新しい製品を世界に送り出す」といった目的意識を持った交流を、地方自治体が支援する仕組みができれば、双方の都市にとってプラスの効果が得られますし、結果としてハードウェアスタートアップのエコシステムが拡大するはずです。

ニューヨークでは近年、日本の文化やユニークなモノづくりに対する興味・関心が高まっています。日本の伝統的な工芸品や製造技術などを、日本に行って勉強したいという若い人も数多くいます。逆に日本の製造技術を生かしたスタートアップを立ち上げるのに、どうせなら日本より大きな市場を狙える米国に移りたいというニーズもあるはずです。

このように「日本のモノづくり」というテーマに絞って人材交流が進めば、日本が米国に向けてサービスを提供する上で大きな課題である「英語によるコミュニケーション」を図れる製造関係者のコミュニティが、お互いの都市で育っていきます。それは最終的に、日本と米国の2国間の製造業における連携にとって大きなメリットになるでしょう。

すでに動いている『Monozukuri Bootcamp』を通じて毎年20〜30人の米国スタートアップが日本の製造業と人的ネットワークを持つようになりますので、2都市間のパートナーシップでも毎年10人くらいずつが交流できるようになれば、10年で500人規模のモノづくり人材が、京都とニューヨークの間を行き来することになります。これはハードウェアスタートアップのエコシステムとしては、大きな資産になるはずです。

ハードウェアスタートアップのエコシステムができた時、ニューヨークから日本に来て経験を積んだ人、それから日本からアメリカに来てそのまま残った日本人技術者が、ニューヨークのエコシステムの中核部分の一つである「量産」のインタフェースを担っていくことでしょう。そうすれば、製造・量産における日本と米国との結びつきは、さらに強まっていくのではないかと考えられます。

米国人の目から見た日本の「良いところ」をもっと発見する

ニューヨークにわたってきて3年弱。東京出身で、米国と言えばシリコンバレーに訪れるばかりだった自分が、まさかニューヨークと京都のパートナーシップに奔走することになるとは予想だにしていませんでした。

私自身、今後のプラットフォームの構築と運用は、日米のオンライン/オフラインにまたがったもので、今までの人生にはなかった非常に大きなチャレンジになるだろうと感じています。一方で47歳にしてこのようなチャレンジをできる環境に身を置けることには、普段から支えてくれている家族や仕事仲間、同僚や元同僚や単なる友人まで、ただ感謝するばかりです。

まだスタートしたばかりのビジネスですが、自分が生まれ育った日本への恩返しも兼ね、このビジネスを成功させたいと考えています。最初は京都など関西圏から始めますが、日本中の製造業との方々とのネットワーク作りに挑戦していく予定です。

もし今回の記事を読み、FabFoundryの事業に興味を持って頂けた方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご連絡いただければ幸いです。

私は1月4日から、ラスベガスで開催される『CES 2017』に参加予定です。CESに参加するのは10年前のシックス・アパート時代に、ビデオカメラXacti(当時は三洋電機)のプロモーション支援のために参加して以来です(その前は日経コンピュータの記者時代の1998年)。

思えばハードウェアとして競争力が高かったXactiが、ウェブサービスの構築・運営ができない舞台裏を知ったのが、ハードウェア企業が持つIoTの可能性と限界を意識したキッカケだった気がします。

もしCESにおいでの方がいらっしゃいましたら、是非コンタクトいただければと存じます。

2017年も、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします! 今後ともFabFoundryをよろしくお願いいたします!


FabFoundryって何?シリーズ

なぜシックス・アパート出身の関が「ハードウェア」を手がけるのか(FabFoundryって何?パート2)

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前回に続き、私が2015年からニューヨークで手がけている、米国のハードウェアスタートアップと日本の製造業をつなぐスタートアップ「FabFoundry」のビジネスについてお話していきます。今回はよくご質問いただく、「ソフトウェア開発のシックス・アパート出身の関が、なぜハードウェアを手がけるのか」 に対する回答です。

ニューヨークでFabFoundryを起業

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は2003年から11年半務めたシックス・アパート日本法人の取締役を2015年5月に退任し、現在は顧問をしております。「シックス・アパートの関」という印象が強い方からは、「ニューヨークで何をしていらっしゃるんですか?」と質問を受けることがあります。現在は、2011年にシックス・アパートを買収したインフォコム社の米国子会社で、同社の北米事業に関する業務を行いながら、全く別の会社『FabFoundry』をニューヨークで起業し、両輪で活動しております。

FabFoundryは、米国のハードウェアスタートアップと日本の製造業をつなぐプラットフォームを提供するスタートアップです。前回の記事で触れたように、米国のハードウェアスタートアップが陥りがちな「深刻な納期遅れ」を解消するべく、日本の製造業の手助けを受けて問題解決に向けた取り組みを進めているところです。詳しい事業内容については、次の記事をご一読下さい。

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将来の製造業は...(イメージ図)

ブログもハードウェアも「これから新しく成長していく領域」

シックス・アパートは 、Movable Typeをはじめとするブログ・CMSツールを開発・提供する、いわゆる「ソフトウェア」の会社です。その会社に長く務めた私が、「ハードウェアスタートアップ支援」と言っても、なかなかピンとこないかもしれません。「全然違う分野じゃないか」と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし私にとっては、「ブログやCMSも、ハードウェアも、自分がビジネスに携わった時点では、これから大きく成長していく潜在力がある領域」という意味では同じに映りました。成長分野にいるだけでワクワクしてしまいます。

シックス・アパートを日本で立ち上げた2003年当時、ソーシャルメディアという概念そのものがなかったどころか、ウェブでコミュニケーションしている人はごく一部でした。ふつうの人はウェブを読むだけで、「ブログ? わざわざウェブで日記を公開して何が楽しいの?」と疑問を持たれたものです。しかし今では著名人から一般人まで多くの人がブログを活用し、もうブログがない世界は考えられません。

私がFabFoundryの原型を考え始めたのは2012年ごろで、ちょうどその頃、「MAKERS:21世紀の産業革命が始まる」(クリス・アンダーソン著、NHK出版)が注目を集め、「メーカームーブメント」が起き始めていました。3Dプリンターやレーザーカッターを使い、素人でもモノづくりできる時代が来る。こうした世の中の流れがある一方、ビジネス視点で見ると、「ハードウェアスタートアップは難しいから」「よく分からないから」と、多くの起業家や投資家は引き続きウェブやモバイルアプリに集中していて、ハードウェア分野への参入者は限られていました。この状況は、15年前にシックス・アパートが立ち上がった時とよく似ています。

新しい成長分野でありながら、先駆者が少なくライバルが多くない。そして、ハードウェアスタートアップを育てるための「エコシステム」が整っていないので、自分たちがエコシステム構築に参画すれば、エコシステムの発展にしたがって自分たちにも伸びしろがある。この2つの理由から、米国のハードウェアスタートアップが抱える問題を解決するべく、FabFoundryの創業に至りました。創業場所をニューヨークにした理由については、次の記事でご説明します。

ハードウェアスタートアップのエコシステムを整えていきたい

スタートアップが成長するために不可欠と言われているのが、「資金」や「人材」など、スタートアップが育っていくための環境=エコシステムと言われています。自社だけですべてのリソースを整備していたら、スタートアップに求められる急速な成長が見込めないからです。ここ10年は、Yコンビネーターに代表される「シード・アクセラレータ」が登場し、スタートアップの成長を助ける仕組みが大きく整いました。しかし「ハードウェア」のスタートアップ向けエコシステムは、米国の中でもまだまだ整備されているとは言えません。

2013年からハードウェアスタートアップ専門のシード・アクセラレータ「AlphaLab Gear」を運営するIlana Diamond所長は「米国では、ハードウェア・スタートアップは、ウェブ/アプリ・スタートアップと比べて、出資を受けるのに苦労している。投資家やメディアの理解が得られていない」として、ハードウェアスタートアップへの注目を集めるために2015年から「National Hardware Cup」というコンテストを全米で開催しています。

しかしアクセラレータやベンチャーキャピタル(VC)が、ただ存在すれば良いかというとそういうわけではなく、さまざまな選択肢があることが重要です。なぜなら1社が「NO」と言ったら、そこから支援されなかったスタートアップには他に選択肢がなく、成長できる可能性が大幅に低くなってしまうからです。そのため、独自の視点や目的でスタートアップを支援する人や企業が増えることで、スタートアップが成長する環境=エコシステムを整えていく必要があります。

ハードウェアの世界ではまだ専業の投資家の数も、スタートアップの数も限られています。全米にはVCが約800社ありますが(NVCA資料)、ハードウェアスタートアップに絞ったVCは7社、ハードウェアにも活発に投資しているVCを含めても約30社しかありません(Bolt Blog資料)。つまりハードウェアスタートアップ向けのエコシステムはまだ成長の途上にあるということです。

以前在籍していたシックス・アパートでは、自社製品のMovable Typeを出した後、Movable Typeを「プラットフォーム」と考えて、ブログやウェブを構築する企業を巻き込んた「ProNet」というパートナープログラムを立ち上げ、Movable Typeを使ったさまざまな「ウェブサービス」を共同で提供して、ウェブサイトを立ち上げるユーザー企業を支援しました。この活動は、自社プラットフォーム上に必要に応じて各種のサービスをパートナー企業と構築した例ですが、FabFoundryでも、これに近いことをしたいと考えています。 1社で取り組んでもなかなか新しいことはできません。しかし当社が中心となりプラットフォームを提供し、ハードウェアスタートアップが成長するために必要な環境をパートナー企業と連携して整えていきたいと考えています。

実際、すでに似たような志を持っている2社と手を組んでいます。1社は京都にあるハードウェアアクセラレーター『Makers Boot Camp』。もう1社はニューヨークにあるハードウェアインキュベーター『NYDesigns』です。両社との連携内容については、こちらの記事をご参照ください。これらの会社と提携することによって、少しずつハードウェアスタートアップ向けのエコシステム拡充に貢献していきたいと考えています。

エコシステムの進化で初期投資が徐々に下がってきた

私がもう一つシックス・アパートでの経験を、FabFoundryでも活かせると思っているのは、これからハードウェアの世界にも訪れるであろう「ビジネスの転換点」についてです。

15年前シックス・アパートを立ち上げた時は、今のようにクラウドコンピューティングという技術はなかったので、ウェブのスタートアップを始めるには、自前でサーバーを何十台と購入する必要がありました。1台あたり50万円〜100万円もするようなサーバーです。それに加えてデータセンター代も払う必要があり、初期投資がものすごくかかったものです(それでも、20年前はさらに悪くて、サーバーも高かったですが、OSやミドルウェアも有料で、ソフトウェアにも何百万円かけていました)。

FabFoundryが支援するようなハードウェアスタートアップも、モノを作るためにはまず原材料や高価な工具などを調達しなければならず、それなりの初期投資を必要とします。モノが完成するまでにはお金も時間もかかり、すぐに結果が見えづらいので、投資家がお金を出したがりません。この「初期投資がかかる」という部分が、シックス・アパートの立ち上げ時にとてもよく似ているので、私自身解決できる下地があると思っています。

ウェブの世界では、まずソフトウェアの「オープンソース化」により、高価なソフトウェアと同等な機能を持つソフトウェアが低価格で利用できるようになりました。さらに、サーバーをシェアして販売する「クラウドコンピューティング」が登場し、利用が少ないスタートアップがとても少ない初期投資で使い始められるようになりました。

ハードウェアスタートアップの世界でも似たような動きが起きています。高価な工具などをシェア(共同利用)できる「メイカースペース」や「ファブラボ」などはこの5年間で急速に広がり、初期投資はかなり抑えられるようになってきました。またソーシャルメディアを利用して多くの人に伝わり、出荷前に代金が入ってくるクラウドファンディングサービスが登場し、ハードウェアスタートアップが必要とする初期費用は、ここ5年でずいぶんと下がりました。

このようにハードウェアスタートアップ向けのエコシステムは、確実に改善しています。まだVCなどの投資家が少ないことや、納期遅れの大きな原因である量産のノウハウ不足などの問題はありますが、ここについてはFabFoundryが提供するプラットフォームが、エコシステムの整備に一役買うのではないかと考えています。

売り切りから定期課金モデルへと変わっていったウェブサービス

もう一つ、これから来る潮流にも、私が支援できる理由があると考えています。

今ではあまりに一般的なので信じられないかもしれませんが、15年前にはソフトウェアやサービスは「売り切り」が当たり前で、月額制などの「サブスクリプション型」の課金モデルは広がっていませんでした。毎月固定費を払うのはイヤなので、最初にハードウェアもソフトウェアもすべて買ってしまいたい、と。その結果として、ベンダーは製品になるべくたくさんの機能をつけて、一回売っておしまい。そういう事業モデルが一般的でした。

しかしウェブサービスというのは、製品にバグが見つかったりOSが変わったりしたら、都度アップデートをしていかなくてはいけません。アップデートは基本的に無料提供が当たり前だと思われているので、売上は増えないのにサポートは延々継続していく。そうした費用を捻出するためには「バージョンアップ版」を発売し、改めて課金する必要がありました。昨今ではWindowsに代表される「売り切り」製品が苦戦しているので分かる通り、ビジネスを継続していくのは難しいモデルでした。

そこで次第に増えていったのが、サーバーやソフトはベンダーがクラウドベース管理し、サービス内容に応じて課金するサブスクリプション型の課金モデルです。毎月売上が発生しますので、長期的なサービス提供に向いたビジネスモデルです。しかしユーザーがサービスを継続するためには、絶えず機能改善がなされていないといけないため、製品の開発方針やサポート体制が、売り切り製品とはずいぶんと異なります。

こうしたビジネスモデルの変遷がシックス・アパートに限らずウェブ業界全体として起こったわけですが、多くの企業、特に大企業は月単位のサブスクリプション型モデルに移行するのに手間取り苦労してきました。引き続きソフトウェアの売り切りとバージョンアップに依存するモデルを続けましたが、気づけばユーザーは誰もソフトウェアをバージョンアップしなくなっていったのです。

ハードウェアも「ウェブサービス」の考えを取り入れていく時代になる

このビジネスモデルの変遷は、これからのハードウェアにおいても通じるところがあります。今は多くのハードウェア製品、とくにいわゆる「ガジェット」はインターネットにつながっているのが当たり前の時代です。OSのアップデートなど、外的要因の仕様変更などで、絶えず機能をアップデートしていかなくてはいけません。アップデートがないガジェットは、使われなくなるでしょう。そうすると、ソフトウェアが売り切りモデルから、サブスクリプション型へと移行していったように、ハードウェアの世界でも、購入時の値段は安いけれど毎月、定額の売上があるような仕組みを取り入れる必要があります(ウェブサービスの場合は、月額制だけでなく、 広告モデルやアイテム課金など、さまざまな課金の仕組みが考案されました)。

こうしたビジネスモデルを取り入れるのに不可欠なのが、ウェブサービスのテクノロジーです。ハードウェアスタートアップの多くが、いずれは「ソフトウェア技術」や「ウェブサービスのビジネスモデル」を取り入れる転換点を迎えるはずです。そうした転換点をどう乗り越えるのか。私がシックス・アパートで培った経験やノウハウが、ハードウェアスタートアップに役立つと信じています。


FabFoundryって何?シリーズ

米国ハードウェア・スタートアップを日本の製造業とつなぐ「FabFoundry」のビジネス(FabFoundryって何?パート1)

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新年あけましておめでとうございます。2015年にニューヨークでFabFoundryを立ち上げてから、早くも1年半が経ちました。今日は新年のご挨拶を兼ねまして現在、私がニューヨークで取り組んでいる事業について3回に分けてお話させていただきます。

日米で15年以上の経営経験を持つ6名

FabFoundry(本社ニューヨーク、以下当社)は、米国のハードウェアスタートアップと日本の製造業をつなぐプラットフォームを提供しています。現在のチームは常勤・非常勤あわせて8名で、主要メンバーは日本や米国で15年以上の経営経験を持っています。

当社は、ハードウェアスタートアップが陥りがちな「製造」や「量産」といった問題を解決する各種サービスを、当社が運営するオンラインおよびオフラインのプラットフォーム上で提供します。事業概要についてはこちらをご参照ください(FabFoundryって何?パート3

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米国ハードウェア・スタートアップを日本の製造業とつなぐ

クラウドファンディング人気の裏で発生する深刻な「納期遅れ」問題

米国ではKickstarterやIndiegogoなどのクラウドファンディングサービスでお金を集め、製品を提供するハードウェアスタートアップが増えています。例えばクラウドファンディング最大手Kickstarterが2015年にハードウェア関連(「Technology」と「Design」のカテゴリー)で資金集めに成功したプロジェクトの総額は、なんと約3億2000万ドルにのぼります。

日本円にして数億円単位の資金調達に成功するプロジェクトも珍しくありません。それまで資金不足を理由に事業化を諦めてきた個人やスタートアップが、プロトタイプ(試作品)の段階で資金を得られ製品化に乗り出せるとあって、もはやハードウェアスタートアップになくてはならないサービスになっています。しかし、こうした成功の裏で、自社で設定した配送期日を守れない「納期遅れ」が深刻な問題となっています。

2015年にKickstarterが公開した資料によると、資金調達に成功したプロジェクトのうち、65%のプロジェクトでしか、出資者が「納期はちゃんと守られた」「守られた」と感じなかったそうです。Kickstarterはプロジェクトを公開する前に精査することで、「製品が届かない」という事態を避けようと努力していますが、それでも「資金が集まった」プロジェクトでさえ、3分の1以上で、納期が守られないというのは、何か根本的な問題があるに違いありません。

私が過去、数年の間にクラウドファンディングサービスで購入した13製品のうち予定日通り届いたのはソニーのMESHだけ。他は平均的には3か月程度の遅れですが、予定より1年以上遅れているものも3製品あります。そもそも約半分の5製品は、まだ届いておらず、いつ届くのかも分かりません。

届いていない製品で最も高価なものは、2015年の最大のクラウドファンディングと言われた「Glowforge」で、4000ドル以上支払ったにもかかわらず、当初の納期を1年こえても、まだ届く気配がありません。

いかに多くの製品が期日通りに届いていないかが、お分かりいただけるかと思います。

ハードウェアスタートアップがなぜ、こうした事態に陥りがちなのか。そこには、彼らの「量産」に対する経験と知識の不足があるからだと考えられます。

「プロトタイプ作り」と「量産」は全く別の知識・スキルを要する

たとえば、1万人がクラウドファンディングサービスを通じて製品を購入したいと手を挙げたとします。「予想よりも多くの人が購入を希望してくれて、多くの資金を調達できた。量産には少し時間がかかってしまうかもしれないけれど、『プロトタイプ(試作品)』があるのだから、工場に持っていけば、すぐに1万個ぐらい作れるだろう」。失敗するスタートアップはこう考えます。

実際には、1万個もの製品を、同じクオリティで、納期に間に合わせて作るのは容易ではありません。工場の選定、必要な数の部品の調達、機械の選定、納期を守るためのプロジェクト管理、製造が終わった後の検品......こうしたさまざまな工程を、スケジュール通りにこなさなくてはならないからです。

ユーザーを惹きつける1個の「プロトタイプ作り」と、工場で1万個作る「量産」は全く別の知識、スキルを必要とします。しかしクラウドファンディングを利用する多くの米国ハードウェアスタートアップはこれを理解しておらず、結果として深刻な「納期遅れ」を引き起こしているのです。

当社は、このような「製造」や「量産」をはじめとするハードウェアスタートアップが抱える問題を、経験豊富な日本の「製造エキスパート」が支援することで解決できると考え、米国のハードウェアスタートアップと日本の製造業をつなぐプラットフォームを提供します。プラットフォーム上で提供する具体的なサービス内容については、当シリーズの第3回をご覧ください(FabFoundryって何?パート3)。

クラウドファンディングやハードウェアスタートアップへの信頼が損なわれないようしたい

クラウドファンディングサービスは、ハードウェアスタートアップが成功できるかを占う「登竜門」的なサービスとして人気を集めていますが、「買ったものがちゃんと届かない」事態が常態化してしまうと、プロジェクトを支援してくれるユーザーの間で疑念が広がり、利用されなくなるかもしれません。

せっかくハードウェアスタートアップに開かれた新しい道が閉ざされないよう、彼らが苦手とする量産・製造をサポートすることで、スタートアップが成長軌道に乗るための土台を整えていきたいと考えています。


FabFoundryって何?シリーズ

ニューヨークで取る就労ビザ「IN2NYC」の電話面接が終了

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就労ビザH1Bの取得を支援するニューヨーク市のプログラム「IN2NYC」の書類選考の話を書いたのは3か月以上前になってしまいましたが、10月に弁護士の電話インタビュー、11月に大学(実際には大学の起業家センター)との面接が、それぞれ終わりました。弁護士はワシントンDCに本拠を構える移民法担当の弁護士だったために、電話でのインタビューとなったようです。

弁護士からは、会社に関することと、自分に関することを聞かれました。会社の登記場所から始まり、製品・サービスの内容や売上の推移や、自分の学歴など、多々ありました。もっとも、自分が米国のビザを申請するのは何度目かなので、多くの質問はあらかじめ予想できており、そこについては、あまりまごつくことはありませんでした。

今回の発見は、H1Bの要件として、役職と地域に応じた最低賃金を支払う、ということを、自分自身を雇用する際にも実践する、ということです。例え自分が大多数のシェアを持っているにしても、会社と労働者は雇用主と雇用者の関係であり、H1Bは就労ビザですから、会社はそれ相応の給与を支払う必要があるわけです。

IN2NYC Logo

ニューヨークにミートアップの季節が帰ってきました(後編)

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前編では9月になって再開されたミートアップをいくつかご紹介しました。テクノロジーのレベルとしては、シリコンバレーほど尖っていませんが、さまざまな分野のスタートアップがニューヨークに本拠を構え、また訪れてくるのがよく分かります。

前回の東欧のスタートアップ向けアクセラレーターStarta Acceleratorのデモデーとは少し趣向が異なり、カナダのアクセラレーター「Canadian Technology Accelerators」のデモデーは、朝9時から行われました。

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カナダのニューヨーク総領事館主催の朝食会。目玉はアクセラレーター参加スタートアップによるデモデー

ニューヨークにミートアップの季節が帰ってきました(前編)

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米国では7月〜8月は夏休みのシーズンということで、月例のビジネス系ミートアップ(たいてい平日の18時〜21時)はお休みにしてしまうところが少なくありません。集客が大変なのと、スピーカー候補や主催者が夏休みを取りたいということだったりします。かくいう私も7月後半から8月前半まで、第1回Monozukuri Bootcampのキックオフもあって日本に出張しており、ニューヨークにはいませんでした。

9月は新学期が始まる時期でもあり、8月末から9月頭のLabor Dayの3連休明けあたりまでには、街には人があふれるようになります(日本でいう4月の新学期シーズンと酷似しています)。

ということで、この3週間に私が参加したビジネス系ミートアップのうち、9月前半に開催されたものをご紹介します。多くの定例ミートアップは講演内容を録画し、後から見られるようになっています。ビデオがあるものはリンクをはっておきます。

TRIBECAエリアであったカンファレンス後のルーフトップパーティ
TRIBECAエリアであったカンファレンス後のルーフトップパーティ。この後、人が押し寄せて日没までネットワーキングが続きました

米国でハードウェア・スタートアップへの投資が倍増

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日本への出張から、2か月ほどブログの更新を止めてしまっていました。英語のブログの方もほぼ同じ期間、止まっています。英語と日本語の行き来の問題ではなく、やはりアウトプットするペースには波があるなぁ、と感じています。

さて本日は、ハードウェア・スタートアップ専業のVCであるBoltの最新ブログ記事から。

さて、この右肩上がりのハードウェア・スタートアップ向け投資の伸びを内訳を見ていきましょう。

投資金額は成長、件数は頭打ち気味

他の分野ではベンチャー投資が減速していたにもかかわらず、ハードウェア・スタートアップ向けの投資は好調でした。2016年前半は120件の投資で計17億ドルをハードウェア・スタートアップが調達しています。ただ傾向には変化があり、調達金額は過去最大にもかかわらず、件数はほとんど変わっていません。

投資の中心は依然シリコンバレー。ニューヨークはボストンを抜いて2位に

ボストンとニューヨークの成長は著しいものの、サンフランシスコ(シリコンバレー)はその合計の数字の2倍のペースです。100万ドル以上調達しているシリコンバレーのスタートアップは昨年の110社から、今年は161社に増えました。昨年シリコンバレーで設立されたハードウェア特化VCのEclipseは、すでに最初のファンド(1億2500万ドル)を使い切って、新たなファンドを組成しています。 一方、ニューヨークはボストンを、金額面でも会社数の面でも抜いて、ハードウェア・スタートアップ分野では第2位のエリアになりました。

Chris Quintero氏(先日、結婚式を挙げたばかりの新婚さん!!)のまとめによると、2013年〜2014年の「(クラウドファンディング)ブーム」のころの製品がやっと出荷され始めたばかり。Eeroのような「勝ち組」とSkullyのような「負け組」は出てきたものの、業界としてはこれからが「本番」だろうと予想しています。実際、ハードウェア特化型のVCやシード・アクセラレーターが増えており、これからハードウェア・スタートアップを立ち上げるには最高の環境ではないかと締めくくっています(彼はハードウェア専業VCのBoltに勤めていますので話を多少は割り引く必要はあるものの)。

オリジナルの記事には、興味深いインフォグラフィックスが記事の最後の方にまとまっています。ぜひオリジナルの記事もご覧ください。